Amsterdam Call for Action on Open Science 訳 - Drafts なんかアップしたのは、「日本は遅れているから欧州に続け!」って言いたかったわけではない。
確かに日本はいろいろ遅れているし、各種法律のバリアを政治的に取り払ってくれる欧州は見ていてうらやましい。そして書かれている具体的アクションの多くは日本でもやってほしいことだ。でも、訳注にも少し書いたけれど、日本が同じことやろうとしたら、書類の山が生み出されて研究生産効率は落ちるんじゃないかと危惧している。
こちらにresearchmapシンポジウム2015の発表資料を置きました:各大学がresearchmapに移行することで年間100億程度の費用圧縮が期待でき、研究者は手入力に比べ入力コストを8割程度圧縮できる。https://t.co/h3hAjuUcOI
— norico arai (@noricoco) September 3, 2015
まず、順番があって、インフラが先なんだけど(そうすると、審査、評価、報酬において研究者の余計な時間を使わなくて済む)、インフラを整えるIT体力が日本にはない。巨額のお金を大手につぎ込んでもろくなものが出てこない。もちろん、これは発注側の問題でもある。それなら、継続的に試行錯誤しながら、オープンライセンスのオープンソースのプロジェクトに投資して、その日本版カスタマイズブランチも作っておいて、そのホスティングをNIIみたいなところがやればいい。そう思うけれど、オープンソースプロジェクトにお金を配分するときってどういう風にすれば成果物の質を高めるか、開発者の満足度を高めるかはよくわからない。Zeitlyn 2003 の贈与経済理論とかは「贈与言いたかっただけやろwww」と思う(当時のオープンソースコミュニティがそうだったのかもしれないが少なくとも GitHub に居る時の感覚は違う)。オープンソースプロジェクトのカイゼン・カイリョウは日本でも比較的うまくできるのではないかと思うのだが。
researchmap は使いやすいとまでは言わないが、なかなか良い線いってると思ってる。ORCID との連携などの細かい不備は言えば直してもらえる(問い合わせたのち、時間はかかったがちゃんと修正してもらえた)。まあ(元)身内なのでステマっぽいっすけど。