Drafts

@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

HTMLセントリック論文パブリッシング

論文のフォーマット - Drafts

からいろいろ考えてましたが、どんどん別件の仕事も舞い込んできて、ある雑誌の完全オンライン化を手伝ってます。

そこで、

という流れを現在のところ検討中です。危ないのは Vivliostyle による PDF 化がどのくらい綺麗にできるかという点です。いざとなれば JATS はメタデータ部分だけでもいいので最後の段階は if possible で済みますが、J-Stage は PDF を正式版として扱う思想になっているので、あまり適当なPDFで流通するのは著者にとって嬉しくないでしょう。

さらに他のプロジェクトで作っている 拡張Markdown 形式の論文から HTMLを生成して、それを上のルートに乗せて実験してみたいところです。


実はお金的にもちょっと考えがあって、普通、大学が外注するときは、額にもよりますが、仕様書を作って、候補になりそうな業者数社に相見積もりを取って、発注するという流れになります。それが非現実的なフローだとかそういう話は今ちょっとわきに置いておいて、今のオープンな開発の流れに逆行している部分に着目してみたいと思いました。つまり、開発されたプログラムは、大抵、一研究室や研究機関レベルで死蔵され、もし公開したとしてもダウンロード数が大したことないことが多いです*1。まあ、利用者数の問題じゃないと分かりつつも、大型蔵書や大型システムの利用者が少ないのは、見ていてあまり心地よいものではなく、焦りのような感情を持つ。

既になるべくやっているのは、少々不安定だろうが、オープンソースのものを積極的に組み入れて使ってもらうということです。で、さらには、そこに投資できないかと考えています。国民で意見を持つ方の多数派は「それは大学の役割じゃない」と考える気がします。でも、それが、大学の金の流れの無駄を生んでいる原因でもあるのです。つまり、タダじゃないかぎりモジュールの積極的組み入れは行われないとなると、モジュールの開発に資金が降りない=有用なモジュールの共有によるコストの低下が起こらない、ということになります。あんまり、発注の時に中身のことまでこーしろあーしろというクライアントが迷惑なのは開発側に立ったことがあるのでわかりますが、Vivliostyle のような活動は特にPDFによる情報流通を行っている学界が積極的に投資すべきではないでしょうか。まず、エンバーゴ方式でオープンになったものとかに非商用で使ってみて、使えそうなら商用ライセンスでPDF版の販売を行い、収益でその活動全体をサステイナブルにするとか、できたらいいなと。


2016/4/16 追記&本文変更:

サイトの管理と一体になってきたのですが、

  • WordPress の寄稿者権限で非公開投稿してもらって、レビューして公開する → Markdown or HTML から HTML が生成される。

ともともと書いてたけど消した。やっぱり WordPress で投稿というのは無いわ。

*1:余談ですが、くずし字学習アプリ「KuLA」は橋本さんが自分で開発されていて、大成功しているので本当に素晴らしい