Drafts

@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

改姓に伴う手続き、とか

とりあえず予定も含めて。現在の進捗をマーカーで記している。【入籍の名義変更リスト&所要時間】もれなく効率よく手続きできる順番・おすすめスケジュール〈完全保存版〉 | みんなのウェディングニュース みたいなのは平成時代のものなので、それとは随分違う手続きになった。

改姓前

  • 証書を紛失した定期預金とそれに紐づいた地方の銀行口座の解約。旧姓の身分証明が必要な契約の対処は改姓後なかなか面倒だと思ったので。
  • 住所変更など済ませていなかったものがあれば済ませておくとよい、複数の項目が一気に変わると手数が多いことがある。僕は携帯の副回線の契約がいろいろ古いままでサポートセンターで対応してもらう羽目になった。

改姓後

改姓手続きそのものと、身分証関係

ここ、本当は、婚姻届の提出と受理証明書の発行だけやるべきでした。世帯の合併はやってもいいけど。旧姓併記に関する正式な手続きは戸籍の変更を待たなければならないので。

僕は先に同棲してたので関係ないですが引っ越しを伴う場合はマイナンバーの更新も同時に一旦必要です。新住所に住み始めた日から14日以内かつ転出予定日から30日以内に、転入先市区町村へ転入手続きをしてください。手続きが遅れるとマイナンバーカードが失効というのがあるので

婚姻届の提出と受理証明書の発行、世帯の合併、マイナンバーの更新、の3つをやったら、市役所で2時間以上かかり、仕事に遅刻した上、タクシー代1000円余分にかかりました。しかもちゃんと旧姓併記って申請したのに住民票の旧氏の欄「空欄」にされており、それでは旧姓併記の免許が発行できないので、出し直しです。時間とお金(300円)が無駄にかかる。ちゃんと旧氏の追加したければ戸籍の到着を待たなければならない( 旧氏(旧姓)併記について|足立区 その後、旧姓を付記するための手続きが必要。その説明なく、単に「異動履歴」のところに旧姓を書かれたけどなんの役にも立ちません。たぶんここらへん窓口の人も理解が曖昧なんだろうなぁ。

(注記3)旧姓の併記を併せて希望される方は、旧姓(旧氏)が記載された住民票の写し(コピー不可)の提出又は旧姓が記載されたマイナンバーカード(通知カード不可)(いずれも区市町村に旧姓(旧氏)を併記するための請求手続を行ったもの)を提示してください。

2週間くらいで戸籍に反映されるとネット上にはあるが、3〜4週間と言われました。「現在、戸籍情報連携システムの状況が不安定です。上記に比べて戸籍の記載までにお時間をいただく場合があります。」とのこと。本当にこんなところまで、日本ではシステムを作る人材が不足しちゃってるんだなと痛感させられます。

免許の更新とパスポートの更新はそれらがないとちゃんと旧姓の併記ができないので待ち。←イマココ

パスポートを更新についてはこちら:旧姓の併記を行う(ここはそのうち自動になるんだろうけどね。動向:パスポートのオンライン申請に向けて旅券法改正。戸籍の添付省略は2024年度以降 - トラベル Watch

ここで併記の身分証が手に入るようにならないと後段のほとんどの「旧姓のまま」手続きができない。

銀行とクレカは基本旧姓のまま、でも連絡は必要

ここは立項に値するほど色々考慮点があった。内閣府男女共同参画局旧姓使用の現状等において、旧姓による預金口座開設等に係るアンケート調査を実施しており、推進しようとしていることが伺える。全国銀行協会名字は変わったけど旧姓のままにしたいという項目を設けて、銀行の窓口に相談するよう勧めている。実際、銀行口座も旧姓でいけるところが増えている。

質問1:口座を持っている個人客から、「結婚して姓が変わったが、仕事上旧姓使用を続けているので、銀行口座は旧姓のままにしたい」と相談を受けた時、どのように対応されていますか。

質問2:新規に口座を開設したい個人客から、「結婚して姓が変わったが、仕事上旧姓を使用しているので、旧姓で口座を持ちたい」と相談を受けた時、どのように対応されていますか。

これに対し、3行からの回答は、「個人客から希望があった場合、運転免許証やマイナンバーカードなど新旧の姓がわかる書類を提示または提出してもらうなどの手続きを経て口座名義を旧姓名義のままご利用いただいている」というものだった。「お客様の利便性を考えて」の措置という。新規に口座を旧姓名義で開きたいとの要望があった場合にも、同様に受け付けているという。 しかし、私が実際に手続きをした際には、本店支店の窓口がこのポリシーを知らないこともあった。また、旧姓名義を使えるのは預金口座のみで、投資信託口座はそうはいかない。同じ銀行に旧姓名義の預金口座と戸籍上の名前の投資信託口座の両方を持つことはできないと言われ、私はNISA口座を解約した。

from 「結婚で姓を変更」どれだけ面倒か知っていますか 実体験でわかった選択的夫婦別姓が望まれる事情 | 家庭 | 東洋経済オンライン

この記事がすばらしく、できるかぎりこの作業をすることにした。また、ネット銀行としては楽天銀行明示的に旧姓使用を許可してくれているのでネットのメインバンクとして使っていくことになるかも。

いままでメインバンクにしていた住信SBIネット銀行は窓口によって回答が異なったので、「ブログ記事にしたいから正式な回答をもう一度ください」と問い合わせている。銀行で旧姓が使えればクレカも旧姓でいけるので、クレカと紐づく数多くのウェブサービスが旧姓でいけることになる。だから、銀行が旧姓対応することはすごく大きな意味がある。クレカ側についてはメインにしているviewカードは旧姓のままでOKと言われました。紐づく銀行口座が旧姓なら大丈夫ですと(そうでなければ引き落としに問題が生じうる、そこは銀行側の問題だけど)。カードの確認をしてから返答いただいたので、ブランドによってはダメである可能性もある。ちゃんと問い合わせに関わるメモも私に紐づいて残しておいてくれるということで Good な対応だった。

ペンネームとしての英語表記

日本語名にわざわざ()で新姓を書ける機会は少ないので、基本的に旧姓で行こうと思う。しかし、論文の英語名などは自由にできるのでミドルネーム扱いでつかっておけば、パスポートとの一致の問題としても良いので、考えている。しかし、当初考えていたKAMEDA N. Akihiroは非日本語話者にはKAMEDANでひとまとまりに見えてしまい、よろしくない。KAMEDA NISHIHARA Akihiro とフルで行ける時はフルで表記するが、スペースの問題でそれが叶わないこともあるだろう。KAMEDA, N. Akihiroはなんか約物が多すぎる気はする。KAMEDA (N.) Akihiro は日本語では新姓を書いていないことにも対応するので悪くないかもとも思うが、あんまりカッコをつけるのは一般的ではない。ミドルネームを書く時点で文科省の SEI Mei 形式から離れているので、Akihiro N. KAMEDA にすることにした。

その他

戸籍の将来について

  • イエを把握するためという意味では、戸籍制度は形骸化してきている cf. 戸籍 - Wikipedia さらに前の有力百姓を単位とするものが馴染まないのは当然のことであるが、イエを単位とした1872年の(逆に言えばたかだかそれからしか歴史のない)壬申戸籍 - Wikipedia は、戦後1948年を大きな転換点として形骸化したと言える。核家族化などの社会の変化に対応する物であり、その変化は然るべきものであると考える。身分登録制度としての戸籍、 住民登録制度としての住民票、 身分登録と住民登録の連携制度としての戸籍の附票の歴史は住民票 - Wikipedia に綺麗にまとめられている。江戸の宗門人別改帳 - Wikipedia のように宗教的な把握は現代ではなされておらず、信教は自由であるとともに、公は把握しないということになっている。人別改帳に相当する税収のための登録は住民票に役割が受け継がれている。実態に追いついているというべきであり、2024年3月からマイナンバーと戸籍が紐づいたことで結婚の際の戸籍の証明は裏で自動的になされるようになった。パスポートも更新など一部業務で戸籍情報は自動連携する方向に進んでいる。
  • 本籍地は昔から竹島や皇居にする人がいるように、本来の意味の本籍とは無関係になっており、ずっとそこに住み続けてきたことは附票の集計で確認すべきことである。そもそも、土地への愛着(?)を示すという役割はこの制度に不要であり、将来的には削除されるべきと考える。一方で管理者を示すという意味では有効であり、自治体 + 戸籍番号 で戸籍にIDをつけ、管理するということは実際はすでに裏で行われていることであり、本籍自治体と本籍ID(これには自治体IDを含む)という概念に代替されるべきである。
  • アメリカではこういう制度が(おそらく意図的に)成熟しておらず、選挙について有権者登録をするなど制度が分かれているが、日本の住民票システム自体はある程度多目的に用を果たしており諸外国の制度と比べても合理的・効率的である。cf. Resident registration - Wikipedia
  • すでに述べたようにイエ制度は現代にそぐわないが、核家族を超えたまとまりを把握することで個人を知りたいという欲求は、イエ制度を元々支えていた日本的な信頼のありかた、今後ボトムアップな歴史を構築する上で家族史の記述運動を盛り上げたいという個人的目論見、双方から検討の余地がある。100万程度出して外注で家系図と記述を作成するのにも戸籍の情報が中心に使われるわけで、戸籍制度自体がなくなるというのはいささか寂しい。戸籍とその構成員の双方にIDがついていてグラフデータベースとして検索が可能になっていれば、婚姻などで新戸籍が作られることを含めて全てネットワーク的に情報を追えるので、個々の単位が核家族でも問題がない。家族史の記述について、自治体に公文書館の設置を進め、そこに戸籍IDの群と紐づいた家族史を公開・非公開(戸籍IDに直接間接に紐づく人のみ閲覧可能)で(デジタル)納本する制度があると良いのではないかと思う。そして、それは自治体史と有機的に繋がるのが理想である。日本のじいさんは自伝書くの大好きだし、それを活かせばいいさ。ニュージーランドの図書館などでは自分の出自を調べることを手助けするリサーチセンターがあったりするので参考にされたい。
  • 夫婦別姓「議論しよう」と“保守派”の稲田朋美議員が説く理由:東京新聞 TOKYO Web この記事とか読んでたら意外と稲田さんなら分かり合えそうという気がしました。家庭裁判所への届け出とか面倒じゃんとは思うし、「家族解体運動」とかに言及しているあたりは保守の陰謀論をまともにとりあげるなよという気はするが。子供の姓をデフォで戸籍筆頭者の姓にするというのは万人に強制しなくてもいいと思うが個人的には賛成できる。ちなみに「家族解体」でググって見つけた、それに一瞬だけ言及している家族主義と個人主義の歴史社会学 : 近代日本における結婚観の変遷と民主化のゆくえは面白かった。「姓の本質主義」を避けるという理路のところで出てくるのだが、これは現代社会に対して歴史学は何ができるかを批判的に考える際にも有効だと思う。
  • 壬申戸籍 - Wikipedia の実態とメリットを把握しておくことは、保守的に構想するのに重要である。そこに記されているように、妾や家来なども家の一員として公的に認めてもらえたことは当時としては意義があったと思う。差別的な記載は当時初期から問題視されていて一部でそういう運用が行われていただけという灘本氏の指摘は重要である。その一部の運用を現代でもしたいと考えている、そして自分が差別される側になる可能性を全然考えていないネトウヨどもは、そこらへん耳をかっぽじって聞いておくべきである。寺や氏神が書かれているのは前述の宗門人別改帳の系譜だし、ここらへんは家族史の記述の際に重視される必要があると思う。そして、現在の住民票にあたるものは寄留という制度であり、本籍の土地を代々守るというのが重視されてきたことの裏返しで、本籍以外は一時的に住むという扱いを受けている。現在のみの経済的合理性のインセンティブだけで地方を発展させるのは、現代のグローバルな資本主義の力学の下で困難であるので、墾田永年私財法がなしたように、ある土地を代々「活かす」ことに対して、長期的なインセンティブをつけるというのは考えても良いし、近年問題になっている外国人による土地の買い占めと雑な利用()を法的に対処するとともに、そこで「外国人だから」ではない、地域そのものおよび地域の他の人々とのかかわりを権原とした直接(近代的な意味で)所有しない物事に対する権利の染み出しを設計できる。これは住民訴訟を訴訟形態として持つ自然の権利訴訟でもその自然との関わりが住民の原告適格をささえるのと同じロジックである。

夫婦別姓を可能にした方がいい理由

なぜ選択的夫婦別姓制度が必要なの? 〜旧姓の通称使用で困ってます〜 | 選択的夫婦別姓・全国陳情アクション|一般社団法人あすには運営 みたいな運動のおかげでここまで進んできた、敬意を表したいし決して批判したいわけではないが、どこまで通称利用が可能になっても必要であるといえるのに、通称利用の可能性などについての理解に少し不足があるように見受けられるのでそこの部分をアップデートしておく。手短にいうと、このまま通称利用の可能性を広げれば問題はないが、対応する事業者側にコストがかかることになるので、それを把握し、適切に対処せねばならない。可能にしたらいい理由は「特に夫婦別姓を妨げる合理的な理由がない」これだけで十分じゃないかという気はする。たまに、よく、姓にアイデンティティを強く感じている人間が、権利として夫婦別姓を主張することがあるが、そういう感情的・宗教的なものだと、家族というものは皆同じ姓を名乗っていて欲しいと(個人として)感じる、という感情的・宗教的なものと平行線なので、まったく理由として機能しない。

社会保険、健康保険、年金、銀行口座、給与振込、確定申告・・・といった場面では、原則として旧姓使用ができません(一部例外あり)。

総務省が作成したポスターでも、住民票・マイナンバーカードの旧姓併記について「保険・携帯電話の契約や銀行口座が旧姓のまま引き続き使えます!」という文言を、「各種の契約や銀行口座の名義に旧姓が使われる場面で、その証明に使えます」に差し替えています

それは銀行や保険会社への強制力となりすぎないための配慮でしょう。逆にいうと、旧姓利用への対応は、そういう各種サービスへの非本質的な負担になるので、夫婦別姓は実現すべきです。携帯電話の契約は携帯電話不正利用防止法によって縛られていると思うので、訂正したのでしょう。それは、自分宛ての郵便物が届いたのに「カタカナだから渡せません」 総務省が日本郵便に見直しを要請 というニュースにあったように本人確認書類側の問題だと言えるので、改善が必要で、携帯電話の契約は旧姓でできるようになるべきです。銀行と同様、サービスへの負担という問題はありますが、携帯会社はそれくらいできる会社が多いはずなので大丈夫でしょう。

研究者向けIDによって、業績情報を管理する仕組みもありますが、論文とそれらのIDを紐づけることは普及しておらず、解決方法とはなっていません

はい、これは進めるべきです、とりあえず旧姓が使えるようにすべきというのはそうですが、すでに実現されていると思います。

旧姓使用ができない場面が多いということは、従業員に旧姓使用を認めている企業等は、戸籍姓と旧姓を使い分けて管理するということです。これにより人事関連や労務の管理等が煩雑となり、負担がかかります。

これはサービスへの負担と同様一理あります。でも、自前で管理ソフトを開発するのでなければ別に負担になるとは思えないですけれど。

(リンク先)夫婦別姓が制度として確立している国際学会などでは、事情が理解されにくく説明が大変なんですよ。しかもこの説明は、手続きを担当する職務の方々に強いられることもあるので、私の姓名が多くの人々に迷惑をかけているという気がしてなりません

戸籍の姓と通称を分けるという選択を認めないという思想でなければ、上の理由は瑣末に聞こえます。新しいパスポートで出張したときに苦労があるか確認してみましょう(これに関しては無い気がする)。