Drafts

@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

RADのラップの音程について

R僕は知識があるのはクラシックが少々といったところで、今のシェアハウスにはミリオンヒットを出した音楽家とかもいる中でジャズやポップスの演奏を合わせるとなるともう絶望的に劣等生であり、ラップに至ってはたぶん似合わないと思われがち(まあ「優等生」タイプは基本そうなりがちだ)で、実際あまり歌うことは無かった。ただ、昔のRADWIMPSはけっこう好きで、最近その趣味が共通する人とカラオケすることがあるから、ちょっと復習してて、RADの曲にはそれなりにラップ的な要素が含まれることが多く、気づいたことをメモしておこうと思った。このブログで音楽ネタはそれなりに取り上げてるし、カラオケネタも初めてではない(中国語の歌を勉強する - Drafts)が、いつもにも増して、苦手なものを我流知識で力づくなんとかしてるような記事なので、ツッコミ歓迎。

ラップ一般についてググると、音程なんてないと言ってる意見とか我流でメロディー型とオクターブ上下型とか分類した記事とかいろいろ見つかるが、絶対音感持ちからすると、音程が無いってことはなくて、微分音相当の音が入り込むことや意図的に使われることはあるだろうが、とりあえず楽譜に起こすことはできる。そしてこぶしとかそういう装飾の技法での説明を付加すれば、基本の方はだいたい12音の音階に乗る。さらにいうと、1音か2音メインの音が決められていることが多く、そのどちらかは1,3,5度のどれかを選んでいることが多い、つまりあまり奇を衒っていることは多くない。そして、ボカロから来ている音の詰め込みのみに特徴をもつもの(これをラップと称するか難しいし、まあその音程的リズム的抑揚のなさをそのラップの特徴として捉えることもできる)でなければ、大抵はリズムがメインであり、リズムと限られた音程の絡みが非常に重要である。

さて、RADの場合、ライブ映像とかを見ていると音程を変えていることが多いが、まったくの不規則ではない。カラオケでメロディー音をONにして聞くとCD音源とも一致しないことも多い(参考:カラオケで、一部分を原曲と間違ったメロディで覚えてしまい、原曲を何回... - Yahoo!知恵袋 たぶん間違えているのだろう。あまりに間違えていると報告することもできる)ので、カラオケの点数やMiss判定はあまり気にしすぎてはいけない。DAMのカラオケアプリで「なんちって」のラストラップ2周目は以下のようになっている(私による採譜)

しかし、以下の音源ではこの初めの一小節の上がり方が異なるのは自明だろう

そして以下のライブバージョンではそもそも2周目で音を徐々に上げるという演出をしていない

ここ以外の個所も、カラオケアプリの音程はかなりめちゃくちゃに聞こえるし、そこは自分の耳を信じるしかないだろう。ちょっと批判的言及と捉えられかねないのでリンクを控えるが、YouTubeでピアノで弾いている2つも捨象してるか自分なりのアレンジとして作っているかであって正確な音程ではない。でも、本人たちがライブで異なった演出をしているように「正確さ」は本質ではないのだ。じゃあ、音程を捉えるのに何が必要なんだろうか?ラップの音程のゲシュタルトはどこにあるのか。

まず、先ほどの音程を徐々にあげていくみたいな演出はこぶしと同様、演出の型として捉える。その演出の中でも何拍目で音を上げるかということは重要で、一小節目は(8ビートで捉えて)2,4,6,8拍目であげるところが強調されているのだから、カラオケ譜で特に4拍目で上げていないのはやはり違和感である。でも、1,3,5,7で上げずに8で上げたのは偉い(何様)。拍が偶数にくるか奇数にくるかは重要な要素である。<音程を徐々にあげていくという演出>(基本的に半音ずつ, 裏拍で上げる)というざっくり2つの引数をもつ関数として捉える。

このパートの前半の方はD♭とE♭の行き来で構成されていて、それも重要な特徴であり、そこはさすがにカラオケ譜も守っている。しかし1拍目をどちらにするかはCDとライブで異なっていて、どちらでも違和感がなく、6拍目でE♭からD♭に落とすというのが重要だ。2音だけで構成されていることはラップで多いが、どの2音か、{絶対に/任意で}{落とす/上げる}部分はどこかという形で捉える。

あと、バックの音楽との兼ね合いで難しくなる部分はあって、音楽は hip hop hop pa la la のうち hop hop を強調するように鳴っているが、声はその前の一拍で hip を言わなければいけない。こういう音はカラオケ音源で無視されがち。メロディー音源を作るプロセスやソフトウェアに由来したミスなのかな?このレベルのコトはCDとライブでブレたりしないので、やはりどの拍でどの言葉を言うかというのは細やかな音程以上に重要で規定的な要素だ。(or)を拍として発音していない、みたいなのも声の強弱や音韻の曖昧さで把握すべきことだ。前回のカラオケ記事では楽譜にすべて起こすのはコスパが悪いと言ったが、ラップ部分は短く繰り返しが多く、音のバリエーションが少ないので、ctrl+l で歌詞をつけながら書き起こすのはそれなりにコスパに見合っていたと思う。一拍の中にスペースはなるべく入れない(大抵、拍の把握間違いであることを疑ったほうがいい、入れるなら ctrl+spaceで入れられる)末尾につけた hyphen は del とかで消せず、末尾で space を入力することで消えるとかそこらへんの musescore のクセがあるが、慣れれば数分で入力できる。