Drafts

@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

「はじめてのおつかい」をみました

はじめてのおつかい(Old Enough)がネトフリで世界的に流行していると聞き、見てみた。多くの人々は、日本の安全さや、親と子の関係(過剰なまでのパターナリズム)やコンテンツとしての子供の搾取と捉えているようだ。例:海外で大論争『はじめてのおつかい』からわかる日本的子育ての本質(佐藤 美穂) | FRaU

特にまとまった批評ではなく、メモ程度に


確かに安全さについては「地域で見守っている」というフレーズが本編でも繰り返し登場し、そういう社会であることを誇りに思い、継承していこうという意思も垣間見える。

日本テレビ「はじめてのおつかい」(Netflix 上) の一場面

一方、「日本の安全」は、ネトウヨ日本スゴイオナニーの定番ネタでもあるので、それ自体は事実で誇りに思ってもいいが、安全を構成しているものや安全から得られているものに論を及ぼす時には色々注意を払わなければならない。

事前に道路の交通量や近隣の不審者調査を行ううえ、ルート上の用水路や側溝の蓋が外れている場所まで、すべてくまなく確認します

from 「はじめてのおつかい」は“やらせ”有り無しどっち? 関係者がヤバ過ぎる実態を暴露!

と言われているように、何も準備せずにこれが成り立つほどには安全ではないといった点にも注意だ。


2015年1月5日の特番では「撮影開始は1990年、これまでに1500人以上の子供たちを撮影してきました」と紹介している。またこの特番では撮影の秘話も話していて、小型カメラをつかったり、それを竿の先につけてみたり置物に隠してみたりという工夫も話している。すごく古い番組だと思っていたが、長寿番組なだけで、2018年などの回も存在する。だから、ドローンを使った撮影もあり、一方で、ドローンは見つかると子供がとっても興味を持ってしまうので、使えばいいってものでもないこともわかる。あと、職業が分かると子供は安心するので、出前配達の人、電気工事の人、といったコスプレをしているとも話されていた。毎回、お守りと称してマイクが入ったポーチを持たしているのも面白かった。こういう撮影の工夫はある種のフィールドワークの工夫にもつながりそうだなと思った。


さらに、各回15分ほどに切り詰められ、スタジオの部分がカットされたように再構成されているのも興味深かった。

「画面上のアクションには定型句のような笑いや拍手が添えられている」と、ストーリー以外の番組作りについて「不快に感じることもある」と評した

from 「はじめてのおつかい」Netflix配信が世界で大人気「史上最高のショーだ!」 英国でリメイク報道も: J-CAST ニュース【全文表示】

と言われているようにアジア独特の演出は全世界で受けるわけではない。ちなみに僕も嫌いだ。ニュースのコメンテーターについては最近は Twitter でも嫌われるようになってきたが、感想をリアクション芸的にやるだけのスタジオはコンテンツを自身で鑑賞するのに邪魔になるのだろう。日本では「なるほど、こう感じたらいいのか!」と思う人たちが多いから必要とされているのではないかと邪推している。


お父さんの仕事の手伝い(寿し職人)や地域の特産品づくり(山梨の枯露柿)を通して、日本の文化紹介になっているという側面も世界の人たちに番組が受けた一因だと思う。お地蔵さんに笠をかぶせるといったミッションなども文化的である。作為が入りすぎているので、文化のアーカイブとしてはちょっと取り扱い注意になってしまうし、文化のアーカイブとしては詳細が不足しすぎているが、魚をおすそ分けしたら、芋が返ってくる、みたいなのはおつかいの側面からこそ見やすい文化なのかもしれない。