- "大正はロマンではありません" -Twitter検索, archive.is
- あんスタ 瀬名泉役の人が 大正ロマンについてなにか言ったらしく、絶賛 歌劇へ抗議中の人らに謝罪要求される。 - Togetter
たまたまとあるツイートのリプで見かけたので記録しておく。
1つめの検索結果に出てくる Happy Elements は北京市に本社を置く中国のモバイルゲーム開発会社だ。検索結果には他のゲームの名もあるし、大正ロマンというのは江戸に並んで日本的なもののイメージを描くのに便利であるため、ゲームで多用されるのかもしれない。ゲーム以外だと、茎(STEM)のショートムービーに代表されるように椎名林檎は大正ロマン的な雰囲気を歌詞に多用する。頽廃的で個人主義的な恋愛など、描きたいことに共通点があるのかもしれない。
大正ロマンが描かれること自体に問題性は無いのだけれど、軍のイメージが流入することも多いっぽいのが問題をややこしくしている。どうやら憲兵を描いて大正ロマンの看板を掲げたのかな、検索結果にも「憲兵」というのがあってそれが批判対象にもなっている。僕からすると、椎名林檎の次にイメージがあるのは「花子とアン」で、柳原白蓮を大正ロマンのWikipediaの項目に加筆したりしたくらいなので、大正ロマンは憲兵のようなものに抗する側のものという印象をもっていて、大正ロマンの一環として理解するのには違和感を抱く。しかし、日本語を読めない人が勝手に付けたイメージではなくて大正ロマン風と評されることの多い「千本桜」についてもたびたび指摘されるように、イメージとしてコンタミが生じているのもなんとなくは知っているから、全くの勘違いとも言い切れないのがややこしいところだ。
それにしても、おそらく韓国の方々が問題視している三一運動との同時代性についても、大正ロマンとかかわりの深い大正デモクラシーの代表的思想家吉野作造は"『中央公論』などに朝鮮総督府の失政を糾弾し、朝鮮の人々に政治的自由を与え、同化政策を放棄せよとの主張を発表した"くらいなので、さすがに批判した側とされた側をいっしょくたにするのはどうなんよと思う。
ここまで知識を共有してもPC的判断は割れるだろうけど、そこに答えを出すことには興味ないので、ここまで。概念が作られたり再構築される過程やその検出に興味があるので、記録しておく。