not カイゼン but スルー
生協のひとことカードに〇〇が欲しいですとか、パフェの容器の下に溜まった部分が食べれなくて勿体ないですとか書かれているが、「ありません」「勿体ないですよね、最後まで食べきるアイデアがあればお待ちしてます」とか適当に流している回答も多い。そりゃ、ここでいちいち全部検討したり改善してる暇はないから当然だ。
not カイゼン but イノベーション
土肥: なぜ第三者に話を聞かないのですか?
寺尾: 聞けば、聞くほど分からなくなるんですよ。
土肥: どういう意味でしょうか?
寺尾: マーケティング調査を行うと、商品の欠点ばかり指摘される。「こうしたらいいのに」
(中略)
寺尾: 「このボタンが小さかったから、大きくしました」「英語じゃ分かりにくいから、日本語にしました」――。こうした商品ってどうでしょう? 革新的ではないですよね。
土肥: テレビのリモコンのようですね。ユーザーの意見を重視するあまりにボタンだらけになってしまって、逆に使いにくくなりました。
寺尾: ですです。「何色がいいですか?」と聞いても、ほとんど同じ意見なんですよ。黒とか白とか。こうした話を受け入れることは、クリエイティブを殺す行為なので、絶対に話を聞いてはいけません。
from 水曜インタビュー劇場(トースター公演):なぜ小さな会社が、“かつてないトースター”をつくることができたのか (3/6) - ITmedia ビジネスオンライン
同様のことはデザイナーの原研哉さんとの飲み会でも聞いたし、小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則にも書いてある。カイゼンと良いデザインは方法論が異なる。そのため、入ってくる社会や顧客のニーズはたまにはスルーしないといけない。
外からくるものを適切にスルーしたり適切にカイゼンに繋げたりすること、内側からのデザインでイノベーティブに作ること、全部大事なことだと思う。
文系な中で一人情報系だと「使われてしまう」問題もこれに似てる。簡単な問題であればあるほどパーキンソンの凡俗法則が作用するし、それは適切にスルーしつつ、適切にシンプルなソリューションを出していかなければならない。そして、イノベーションはその活動の中からは生まれない。別途自分から取り組むべきだ。