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@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

重田勝介『オープンエデュケーション』, 東京電機大学出版局, 2014.

オープンエデュケーション


目次

目次
 序章 はじめに
  0.1 本書の目的
  0.2 オープンエデュケーションとは
  0.3 本書の構成
  0.4 本書の観点
  0.5 本書の対象
第Ⅰ部 これまで教育はどのように営まれてきたか
 第1章 教育に用いるメディア
  1.1 メディアの変遷
  1.2 文字の誕生
  1.3 印刷技術の普及
  1.4 電子メディアの誕生
  1.5 印刷書物の教育利用
  1.6 電子メディアの教育利用
  1.7 まとめ
 第2章 教育の技術
  2.1 古代における教育の方法
  2.2 中世における教育の方法
  2.3 近代における教育の方法
  2.4 教育の体系化と新教育運動
  2.5 学校外での学び
  2.6 コンピュータを用いた教育
  2.7 eラーニングの隆盛
  2.8 まとめ
 第3章 教育制度としての大学
  3.1 大学の誕生以前
  3.2 大学の誕生と発展
  3.3 大学の停滞と再興
  3.4 大学の拡張
  3.5 生涯学習の展開
  3.6 遠隔教育とオンライン大学
  3.7 まとめ
 第4章 現代の高等教育に課された課題
  4.1 「メディア」「技術」「制度」と教育の変遷
  4.2 知的活動とメディアの現在
  4.3 大学の現在
  4.4 まとめ:課題解決手法としてのオープンエデュケーション
第Ⅱ部 オープンエデュケーションとはなにか
 第5章 オープンエデュケーション(1)―オープン教材の開発と公開
  5.1 オープンエデュケーションとは
  5.2 オープン教材の製作
  5.3 オープン教材の公開
  5.4 まとめ
 第6章 オープンエデュケーション(2)―オープン教材で学ぶコミュニティ
  6.1 オープン教材を扱うデバイス
  6.2 オープン教材で学ぶコミュニティ
  6.3 オープン教材を用いたオンライン講座:MOOC
  6.4 まとめ
 第7章 オープンエデュケーションの課題
  7.1 理念的側面
  7.2 実利的側面
  7.3 まとめ
 第8章 オープンエデュケーションの課題
  8.1 オープン教材の難しさ
  8.2 オープン教材の検索性
  8.3 オープン教材を扱うデバイスの入手と維持
  8.4 オープン教材で学ぶコミュニティの限界
  8.5 活動の持続性
  8.6 MOOCの課題
  8.7 まとめ
第Ⅲ部 オープンエデュケーションは大学に何をもたらすか
 第9章 「オープン化」が教育に与えるインパクト
  9.1 デジタル化のインパクトと教育
  9.2 オープン化のインパクトと教育
  9.3 教育の「イノベーション」とMOOC
  9.4 知と教育の多様化とMOOC
  9.5 我が国における課題
  9.6 まとめ
 第10章 オープンエデュケーションと未来の学び
  10.1 オープン化により変わりゆく大学
  10.2 オープンエデュケーションと大学の関わり
  10.3 オープンエデュケーションが問う大学の価値
  10.4 大学はオープンエデュケーションに取り組むべきなのか
  10.5 我が国の大学のオープンエデュケーションの導入モデル
  10.6 オープンエデュケーションへの学術的アプローチ
  10.7 オープンエデュケーションと未来の学び
注
参考文献
おわりに
索引

とりあえず序章、第1、3部をさらっと読んで、今から2部を読むところ。そこまでで気になったことのメモ↓

オープン教材のデータベースについて

OER Commonsについての紹介

OER Commons ではさまざまなオープン教材を、分野や目的、キーワードによって検索することができる。さらに、オープン教材のブックマークやタグ付けをし、評価(レイティング)をすることも可能である。 OER Commons は世界中の教育者や学習者がオープン教材の共有に参加し、持続的な学習環境を構築する取り組みである。

(p.3)

オープン教育リソースってのはWikipediaにも既に項目が立ってるんだな→オープン教育リソース - Wikipedia

オープン教材の共有について僕が集中的に調べたのは2007年頃だったからまだOER Commonsは始まったばかりだった。どちらかというと初等教育について調べたが、文科省主導で作られたいくつかの大きめのデータベースがあった気がする。そして、それらは世間にインパクトを与えることなく消えてしまった(のか、とりあえず検索してみたがそれっぽいのが見つからない)。

調べてみればいろいろ他にも共有サイトはある。文部科学省から紹介されているものや(なんかそういうファンドがあったんかな)、国立教育政策研究所教育情報共有ポータルサイト、各都道府県のもの等等。オープンデータの文脈から知ったものだと、OpenTextMapってのもあったりする。

でも、教材データベースは誰を救うんだろう - 技術教師ブログとかでも指摘されてるように、「乱立しすぎている」と思う。

あと第三部で教材の共有によるコスト削減の観点から大学連携でオープン教材作るといいよねという話もある(pp.166-171あたり)

基本的にこの本は高等教育におけるオープンエデュケーションの話がされているので初等教育との違いとかは自分で整理しようかな。

イヴァン・イリイチ

イヴァン・イリイチは「特に学校において技能訓練と人間形成が無理やり結合されることを批判し、両者を分離して学校を技能訓練の機能へと縮小し、人々が学校制度にとらわれず、臨機応変に教え学び合うことを推奨した」(p.31)「イリイチは学習者の自主性を重んじ、学習者にとりまく世界とのネットワークを与えることで学習に必要なあらゆる資源や機会を与えられると主張した。(中略)このような考え方は、コンピュータやインターネットにより教育のためのネットワークを形成することが容易となった現代社会において、実現の可能性と説得性を増している。」(p.32)

サンノゼ州立大学におけるMOOC導入拒否

サンノゼ州立大学では、哲学学科の教員がMOOC導入に反対する意思表示を行った」らしい。これに関する脚注は、ds106になっているが、関係がイマイチ分かっていない。この事件については無料オンライン授業の衝撃と学びの革命 [2013年度 No.1]

 ところが、今年4月になり、同じ大学でブレンド・モデルへの反発が起きた。ハーバード大学サンデル教授によるムークの実験的な導入を求められたサンノゼ州立大学の哲学科が要請を拒絶し、教授陣が「サンデル教授への公開書簡」を出したのだ。  書簡の中で、教授陣は拒絶の理由に「哲学科にムークで解決できる教育上の問題は存在していない」「同等の授業を教えるのに教授陣の力量に不足もない」の2点を挙げた。その上で、公立大学でのムーク導入論は、長期的な財政事情に動機づけられており、大学の危機であると訴えた。また拒絶理由を公開するのは、「遅かれ早かれ他学部や他大学も同じ難局に直面すると信じているからだ」と述べた。

と書かれていた。またMOOCへの拒否反応については同じ著者の書いた、オープンエデュケーション・MOOCs と大学の選択の3.8節に詳しい。

「調査分析」と「実践研究」

pp.171-173あたりに有効なオープンエデュケーションの導入に必要な活動として挙げられている2つ。実践研究の方は、学習履歴からの学習分析による教育方法の改善とか。調査分析の方は、

我が国におけるオープンエデュケーションの活動のあり方を考えるにあたっても、我が国の教育的課題とその背景にある社会状況を踏まえる必要がある。世界それぞれの地域における取り組みを、地域ごとの教育的課題や社会背景を通じて理解し、我が国の有効な導入のあり方を議論することが欠かせない。

とのこと。

その他関連追記

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