最近、DnBばっか聴いてて、もう少し大人らしい落ち着きが必要だろうか、と、ふと考えて、これまたふと、次の文が頭に浮かんだ。
Все счастливые семьи похожи друг на друга, каждая несчастливая семья несчастлива по-своему.
これは「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」などと訳されるアンナカレーニナの冒頭文で、「いまは『幸福はさまざまだが、不幸は驚くほど一様である』と書き始めるべきかもしれない。」と結ぶ朝日新聞の天声人語*1、アイヒマンが口にしたという「百人の死は天災だが、一万人の死は統計にすぎない。」*2という言葉、エスキモーには雪や氷を指し示す言葉が非常に細かいこと*3などがつらつらと連想ゲームのように思い出され、「『カッコいい』彼岸が一様に見え、それを真似たいと僕は思ったのか」と連想ゲームで身体を離れたドッペルゲンガーから自分を見て嘲笑してしまった。
というわけで、厨二病ドッペル君が錨を下してくれているので安心して、所謂 Alpha Male 的な振る舞い*4でも真似てみようかと思います。某アプリで投票の結果俺は「大人の色気があるスーツ姿」が一番好評だったしなぁ。俺的には「キレイめなカジュアル」に票が入って欲しかったのだけど。
参考:
- Л. Н. Толстой. Анна Каренина. Текст произведения アンナカレーニナを全部テキスト化しているサイト。すばらしい。ちなみに僕はロシア語は基本的には読めないので、「頭に浮かんだ」というのは少なくとも日本語で頭に浮かんだのではなく、「по-своему」(パ スヴォエム)≒ according to its own way みたいなのが、頭に浮かんだだけ
- 黎明 – アンナ・カレーニナ冒頭訳... 日本語の版ごとの訳の違い一覧
*1:朝日新聞天声人語、2002年11月19日 「不幸のさま幸福のさま」特に本文は名文というわけでもなく、わざわざ読むに値しない。拉致被害者の家族が悲しみという不幸を共有しているとかなんとか。
*2:これは原文を見たことはない。アドルフ・アイヒマン - Wikipediaによると、『ヒトラーの共犯者 下』69ページ。初めに知ったときはスターリンの言葉として知ったが、出典不明。