Drafts

@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

絵葉書のデータベースを構想中

普通に複数のデータベースを統合検索できるようにという話なので、そのように仕上げて渡せばよいのだが、それでは情報技術屋として使われてしまうだけになる。時間的にわがまま乍ら、試行錯誤させてもらった。

他の情報と繋ぐ

手がかりは多様ながら他の情報と繋ぐことで読み解きを支援するという大枠は変わらない。

絵葉書のハガキ内容、送り主と宛先、絵はそれぞれ別の資料的役割を持つ。

(1)ハガキの内容から

[fd0010] [Gerbera] | Digital Scholarship Services

10月31日付で出されている手紙に「神戸進駐より早一月」とある。兵庫県/年表 昭和1によるとアメリカ軍の神戸進駐は昭和20年9月なので整合する。

「どの人を見ても何時も口を動かしてます」というのはガムのことだろう。背丈への驚きと共に「ほんとにおとなしいですよ」とも書いている。アメリカ軍の進駐の様子が伺える資料になるわけだ。

(2)ハガキの宛先から

[fd0011] [Just cut any type of cloth into the same size square and...] | Digital Scholarship Services もまた終戦直後にインドネシアに居る父に送られた手紙。「グッドバイ」「ガール美智子」なんて戦地からまだ帰っていない父に言ってるあたり敵国語云々という僕の戦時中イメージと異なる。終戦時にメダンにいたことから近衛師団に属していたことが推察される。

メダン市の千代田通りを探してみようとしたがさすがに難しい(今はおそらく存在しない)。日窒が持っていた工場を調べようとしてもそういう情報も出てこなかった。タンジョンパレーと書かれているのは Tanjung Balai じゃないかと推測されるが現在も行政区として存在する Tanjung Balai はメダンからちょっと遠すぎる。GeoNamesを使うと郊外に同名の地名が発見できたので、そこかもしれないが…かなり山奥だなーTanjung Balai- GeoNames.org。まあ、Tanjung 自体が「丘」みたいな意味なので、そういう場所なんだと思う。

ちなみに元のハガキの書き手もあやふやだが、絵葉書データで窒→室と翻刻間違いがある。

(3)ハガキの絵

[ip0014] The View of Genbumon Gate Built 500 Hundred Years Ago | Digital Scholarship Services

タイトルに「(平壌名勝)日清の役、原田重吉の奮戦せる玄武門(五百年前建造)」とあり、日清の役くらいは日清戦争だと分かるが、原田重吉の奮戦とは何を指しているか知らなかった。

Einen - Harada Jyukichi, a Brave Soldier Defeated immense enemies by climbing over the wall of the Northern ... - Google Art Project.jpg
"Einen - Harada Jyukichi, a Brave Soldier Defeated immense enemies by climbing over the wall of the Northern ... - Google Art Project" by Einen (1894 - 1895) (Japanese) (Details of artist on Google Art Project) - ogEuUN2i7zO-PA at Google Cultural Institute, zoom level maximum. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.

これだ(どれだw)。なんと萩原朔太郎 日清戦争異聞(原田重吉の夢)という小説まである。

「その頃錦絵に描いて売り出していた「原田重吉玄武門破りの図」をそっくり演じた」という錦絵は上のようなものだろうか(他にもたくさんあったらしい)

英雄「原田重吉」 玄武門破りの皿 ( 工芸 ) - 野良仕事・ガラクタ・骨董・マニアの独り言 - Yahoo!ブログ も参考になった。

これは知ってると知らないとではこの絵葉書の価値が全然違って見えるなぁ。

Embed と Trackback

[fd0011] [Just cut any type of cloth into the same size square and...] | Digital Scholarship Services について調べている過程で同じ絵葉書を使ったと思われる記述が本に見つかった。何が書いてあるのか知れないが、タイトルからしてパッチワークの歴史としてこの絵葉書が重要な資料になっているのではないだろうか。本当はそういうのも調べられるとよい。

books.google.co.jp

論文で引用したり、ブログで引用するときに適切な引用が付けられるように誘導し、その論文やブログにもたどり着けるようにするのは大事だと思う。

具体的な作業

  • 統合検索を作る
  • 外部の情報との関連を投稿するデータベースを作る(関連: Citation、isMentionedIn(絵葉書の元とハガキとしての内容と分ける必要がある), useSamePicture)。ソーシャルブックマークで、あるページについてのLODを登録できるサイトか。
  • それらを表示するウィジェットを作る

検討事項