Drafts

@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

最近観たものをメモる / 「新聞記者」「日本統一」

なんとなくインタビュー形式。僕はネタバレ気にしない人なので、気にする人は読まないように。

「新聞記者」

Q: 見たきっかけは?

A: Twitterネトウヨが「これは香ばしい作品ですね」って書いてて。Netflix 入ってるから見てしまおうと。

Q: どうでした?

A: 面白かったので、一気見でした。「香ばしい」ってのは、森友問題そのものだったので、ネトウヨにとっては気に食わなかったのかなーとは思いましたが、別に特段の偏りは感じませんでした。まあ、公文書が改竄されたことなどが事実認定されている今の状況で、他の「真実」が描き得るのならば右側から描いてみればいいじゃんとしか。あと、先に外側の話からすると、これは左右どちらからも言われてる話で、あらゆる歴史モノに言えることですけど、フィクションの部分についてはもちろん批判はあるだろうし、ここまで現在進行形の話となると当事者と不和があったこと自体は問題だとは思います→ネットフリックス「新聞記者」プロデューサーが制作経緯巡り、森友遺族に謝罪(文春オンライン) - Yahoo!ニュース。内調の描写は面白くて、Dappi問題とも通じるような政府の情報操作のやり方を想像して描いてた。個人の弱みを握って圧力をかけるだとか、ネット上のリプを積極的にやってるとか(映画「新聞記者」で登場する内調とは。望月衣塑子・東京新聞記者や元官僚の前川喜平氏が明かす実態【動画】 | ハフポスト ←この鼎談とも共通する)。無駄に暗い部屋に設定していたのとかは良くないと思うし、警察絡みの組織なのもあってそんなに悪意に満ち満ちた悪というよりはもっと善意が敷き詰められた悪だろうとは思うし、イメージがまんまネトウヨの言う「工作員」じゃねーかwってのはあるけれど、ここで描かれているようなことを政府がしないという善意をアテにするのも平和ボケすぎるので、そういう力をキャンセルするシステムが必要だなということが一番考えさせられたところですね。

Q: 演技とか役者とかそういう側面は?

A: 山口敬之がモデルといわれるユースケ・サンタマリア演じる豊田進次郎はマジで嫌なヤツ感がすごかったw マジムカついたw ちな、ここで詐欺事件とほぼ断定されているモデルとなったPEZYの件については、まあ僕は詐欺とまでは言えないのではないかとうっすら思っているので、そこらへんはまあ偏りなのかもね。あと、「冷たい熱帯魚」の印象が強すぎて新聞配達所のおっちゃんにでんでんが出てくると、謎の緊張が走るw

Q: 人に勧める?

A: うん。一番大きなお題は、「立場が人を作る」ことにどう向かい合えばよいか、だと感じた。主人公の松田杏奈にも、善意を持ちつつ悪事に手を染める村上真一にも、学生や新入社員というひよっこの立場から木下亮がなぜその職業に就いたのかという初心を問うシーンがある。村上に向かって曰く「初めから悪いことをしようとしてなったわけないじゃないですか」。さっき「警察絡みの組織なのもあってそんなに悪意に満ち満ちた悪というよりはもっと善意が敷き詰められた悪だろうとは思う」と内調について言ったけれど、たとえば「国民が混乱しないように」情報を操作する内調と、国民がちゃんと問題意識を持てるようにフィクションを見せるこの作品自体をメタに相対化したときに、どう整理すればいいのかとかちゃんと考えるべき。松田の兄の件とか、横川繭の就活の件とかで、「個人的な事情」をどう社会化するかというのも関連テーマになりうると思う。ここはまあ作品の中では全然丁寧に描かれてなくて、ただ肯定していたような気もするけど。事件自体を知るという目的からはなんでノンフィクションドキュメンタリーにしなかったんだろうって思ったけど、まあ分からないことが多すぎるからなんだろうなとは思う。True / False / Unknown の3値以上で真偽を捉えられる人間なら、事件自体を知るという目的で見ても大丈夫だと思うよ。平均50min×6話/1.5倍速=3.5時間くらいで見れるのもコンパクトでいいと思う。

「日本統一」

Q: 見たきっかけは?

A: 「新聞記者」全部見したら、Netflix が韓国ドラマばっかり勧めてきて、じゃあ逆を見てやるかって気になったので。

Q: どうでした?

A: 深さとかは別になんもない。役者も大根なのも多いし、演出も雑だったりする。しかも無駄に長い。平均75分くらいで現在43話だよ。12話まで見てあとは43話だけ見た。氷室蓮司と田村悠人、三上哲也と大宮和也みたいに、Aが考えてBが考えなしにぶっ放すっていう構図がちょいちょいあって、やくざって組織の中で組織の論理を考えるAと、Aへの忠誠と動物的な感情以外に論理を持ち合わせないBみたいなのが対立することもある。大宮は三上に引導を渡されるし。まあ、でも、ここまでくるとさ、B側に感情移入とか理解とかしにくい。さっきの新聞記者では組織の論理みたいなのがある種の敵だったけどさ、とりあえず殺しとけ、やられたらやりかえせ、なBはやっぱあかんと思うよ。まあインテリの論理とネトウヨの論理が食い違う時に、見てる現実が違うからじゃね?っていうのはたまに感じるけど、それの典型例みたいな部分はあるなぁ。それから、ムショで一緒だった人間が組織を超えた繋がりでいろいろやったりってのは、まさに組織の論理と並走する「個人の事情」で、こっちのほうは「立場が人を作る」ことの現れ方みたいな階層によるねじれを起こしていない。いや、なんかまじめっぽく比較しているけど、だからって見ることは勧めないよ、強引にさっきの話と関連付けて語ってみてるだけで。

あと、序盤の方では殴り合いが中心なのに、どんどんと複雑化していって、43話では総会屋とか地面師とかの話が中心になっていたのも印象的だったな。組織や戦略の話が分からない菅谷健太とかは途中でトラブル起こして、その際に自分で馬鹿だと自認していることがBさを強める原因になっていることを町田駿に指摘されたりしてて、ヤクザの世界も頭大事やということも描かれてる。プライベート側面でも氷室とか子供にちゃんと勉強しろって説教してたりするな。

Q: 演技とか役者とか、人に勧めるかとか、は全部聞いちゃったな、んー、あ、そういやヤクザものっていったら「静かなるドン」も読んでたよな、なんか共通点とか違いとかある?

A: 静かなるドンはもっとギャグ色強いしなー。平和ボケしてるけど強い、個人的な、主に恋愛感情に流されてたらそれが運で結局うまいこと組のためになったりするってこと描いてるだけで、まぁ、「静かなるドン」よりは「日本統一」のほうが学ぶことあるんとちゃうかな…。「静かなるドン」はギャグ色強すぎて盃の重さとか命のやりとりの緊張感とかそういうのもないもん…。ピッコマで読んでて途中でやめたわ。最近思うんよ、サブスク系のサービスって特に「時間」を意図的に奪いに来るので、ちゃんとやめるのめっちゃ大事。ってちょっと勧めてしまったから一応言っておくと、「日本統一」どうしても見たかったら外伝の「川谷雄一」だけ見れば、平均20min×5話/1.5倍速=約1時間でだいたいのエッセンス詰まってると思う。