地域間比較などをする際にどういう知識の整理が必要かという観点から、アウガの件をメモ。
背景
Twitter で発言している人たちの意見も、Yet Another 根拠なき主義主張だし、そもそも、今回の件が「コンパクトシティ政策」の失敗かどうかは分からん。もちろん、そう捉えられる文脈もあるが、例えば、新青森駅での分散とか言うのならばコンパクトシティを徹底しなかったことが問題になるのではないのか。そして、郊外だったら成功したこともないだろうし、新青森だったら成功したってこともないと思う。
ちなみに駅の利用者数はJRが公表していて、
青森: 定期外 2,994、定期 2,682、計 5,677 新青森: 定期外 3,115、定期 739、計 3,855
なので、地元の利用客を見込んだ店ならば青森で間違っていない。東京から新幹線で青森きて地方デパートで服買ったりしないでしょ、ふつー。だから、「新青森ガー」みたいな意見群は指標を見つけるには役に立つが、意見そのものが参考になることはまずない。よくベンチャーの経営などで言われることだが、試みとしてやったことに対して外野が根拠なくごちゃごちゃ批判するのは基本的に無視したらいいと思う。ちゃんと必要な意見に耳を傾けることとのバランシングと見分け方が難しいんだろうけどね。あと、イオンモール万歳な人が居るけれど民間に任せればうまくいく、みたいなのはそうじゃなかった事例もたくさんあって、世界的には水道なんかは有名だけど、それだって地域や状況による。マツコが言ってたような(とか言うといきなり俗っぽくなるが)、都会人が地方についてイオンモールで多様性が云々とか口出すことのクソさ-当事者たちの明らかな利便性の向上をブンカジンの思想的な理想の押し付けで曲げようとすることに対する反省の無さ-は、まあ一考されるべきだろうが、今回の件がそうだったかというと疑問だ。計画をすでに構想していたイオンに営業許可ださずにコンパクトシティを推し進めた秋田の例ならまだしも。
一方で、問題が起こったことは確かであって、その分析と知見の共有は非常に重要なことだろう。当事者にとっては、失敗しました、残念!で終われないので、今後どうしていくかということに関する知見が必要なのだろう。
途中話それまくったが、言いたいことは、
- こういう事象に関する世論形成って世の中稚拙なままだよね
- どうやったら事実や分析を適切にアーカイブできるかを考えなきゃなんない
「事実や分析のアーカイブ」?だいたいなされてる?
みたいなのはちゃんと「情報公開」されている。基本的なことながらとても良いことだ。そして、例えばスポンサーが取れない事情について地権のことなどが挙げられている(間にちゃんと集約する会社が入る体制になってて事業推進は大丈夫ってことで始まってるんだから、スポンサーに関しても然りだと思う=地権の件は単なる言い訳っぽく聞こえるが)。
でも、これって「アーカイブ」ではないんだよね、単に「情報公開」であって。再利用可能なようにインデキシングや整理をしなきゃいけない。行政も当事者もそれ以上はできないのだから、第三者機関がそれをすること、行政はライセンスについてもCCを付すなどして第三者機関のそういう活動を支援することが求められる。そうすると、当事者の議論空間と、メディアのざっくりした説明&視聴者の脊髄反射、みたいなのの間になるような空間が得られて、それは同じトピックで研究や事業をし続けている学者やシンクタンク、企業に役に立つので、担い手もそれらでよいのだろう。そして、表層的なニュースも批判検討できる立場ができる。
その他参考
- コンパクトシティ構想④ すでに失敗例が2つも : ぺんたの地方不動産投資日記 秋田の件含めの紹介記事。当然、ずっと前から問題は指摘されていた。
- 乗降客数(日)ランキング|駅|青森県|飲食・小売の出店を科学する出店戦略情報局 データは古いが、とても役立つ情報のまとめかたをしている。結局店がなくなっただけとか書いてる人いるけど、新青森方面のガーラタウンの他、サンロード青森、イトーヨーカドー青森店とか、中心部には普通にあるやろ。郊外に展開した場合に、当然下の問題点は解決されない。
- コンパクトシティのまちづくり/青森市青森市側の理由説明など。
余談:大型商業施設のファッション売り場に関する疑問
大型商業施設に入る専門店の多くがファッション系統だ。これでもかってほど、しかも女性用ばっかり。
この前、京都駅付近リュック買いに行ったのね、前の破れたから。じゃあ、そこらじゅう歩き回らなあかんわけよ。まあ、僕が女性用の店もチェックするからってのはあるけど。店舗はブランドごとやから。さすがに ALGONQUINS くらいなら、別に分けておいてくれてもいい気もしなくもないけど(いや、ゴス Dis ってるわけちゃうよ、原宿店入ったこともあるし、むしろ好きでもあるけれど、いや俺着れないけど)、それでも一緒でもよい。今 ALGONQUINS 名指しで特別扱いした気持ちは推し量ってもらえるとは思うけれど、みんなにとって各ブランドはそれほどまでに、このブランドが好きだからここで買う、みたいな特徴があるのだろうか。僕は、値段と容量とかわいさと材質(全体(耐久性に寄与)、背中面(快適さに寄与)、および磁石の有無(電子機器を入れることが多いので))だけ条件にして探し回ったので、ブランド関係なくそうやって絞り込めたほうが嬉しかったのだけれど。
その方が色々見てもらえる?めんどくさいよね、次からはネットで買うよね。
余談2:図書館と書店に関する疑問
はてなでアウガに他に言及してる人みたら、本好きな人だったんだけど、図書館が書店の売り上げを圧迫してるかは検証が難しい(いちおう否定的結果を出してる研究があるがデータもモデルも限定的)が、図書館に書店を併設することの波及効果という点では、直感的に意味がある気がするけれど、どうなんだろうか。直接的には例が少ない(ツタヤとか?)ので、サンプリングしてアンケートとかになると思うけれど。