読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Drafts

@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

F.Chopin Piano Concerto No.1, Op.11 Mov.3 Bar 144-147

Piano Concerto No.1, Op.11 (Chopin, Frédéric) の第三楽章の一部(144小節目から)。

f:id:cm3ak:20150812011037p:plain

IMSLPより。

ここを分析する。とは言ってもアナリーゼの勉強はジャズ方面しかしていないのでオレオレアナリーゼ、しかも時間が無くたった4小節なのでミクロなものだけど、勉強になった。


ここで、フレーズの強調のために上パートの連桁があるが、これは MuseScoreでは表現できなかった。


(Zimerman)Chopin Piano Concerto No. 1 Mvt III ...

Zimerman の演奏とかを聞いている限り、フレーズを聞き取り易くは演奏しているが、元の楽譜通りには演奏していないように聞こえる。楽譜通りに弾こうとすると一気に難易度が上がる。

Chopin Concerto No.1 Mov.3 Bar 144-148 by Akihiro Kameda

というわけでテヌートでとりあえず表現してアップロードした。

和音・スケール進行

和音進行は

Fm7-5→Fm6-5→E♭7♭9→E♭m6-5

ちなみに m6-5 は Diminished なので dim7とも良く書かれる。

伴奏にまず着目してメロディーの響きを勘案して、特定。上の D# → D → C# → C というのが綺麗に聞こえる秘密だと思う。この進行は左手の最高音で強調されている。

2,3小節は1拍分の非和声音が加えられている。1小節目3拍目F#、2小節目3拍目A#とF#、4小節目3拍目A#とE。

コードを短9度を含めない4和音で捉えると3小節目にも非和声音が入ってくるし、1小節目は逆に短9度を入れたら3拍目を非和声音と捉えなくていいのだが、これはどちらでも良い。要はコードが捻られていると思うか、フレーズが捻られていると思うかという違い。

非和声音はすべてスケール上のものが取られていて、スケール進行は、Locrian ♮6(harmonic minor)が基本になっており、起承&結を為していて、転だけ Phrygian dominant が使われている。それぞれ、Harmonic Minor の Ⅱ Mode と Dominant Modeだ。Xø(Half-diminished seventh)は7音階中4音を指定しているのでbしか付けない前提だと、23=8 つの音階候補があってそのひとつが Locrian ♮6、リストアップすると

  • 1 b2 b3 4 b5 6 b7 Locrian ♮6 (Harmonic Minor)
  • 1 b2 b3 4 b5 b6 b7 Locrian (Natural Minor Scale)
  • 1 2 b3 4 b5 b6 b7 Half diminished scale = Super Aeolian ((Ascending) Melodic Minor Scale)
  • 1 b2 b3 b4 b5 b6 b7 Altered scale = Super Locrian ((Ascending) Melodic Minor Scale)
  • 1 b2 b3 b4 b5 6 b7 + 5 Diminished
  • 1 2 b3 b4 b5 6 b7 ---
  • 1 2 b3 4 b5 6 b7 ---
  • 1 2 b3 b4 b5 b6 b7 ---

X7♭9(Dominant minor ninth)は 7音階中5音を指定しているので4つの音階候補が合って、Phrygian dominant を含め以下の通り。

  • 1 b2 3 4 5 6 b7 ---
  • 1 b2 3 (b4) 5 6 b7 Diminished
  • 1 b2 3 (b4) 5 b6 b7 Phrygian dominant (Major Phrygian)
  • 1 b2 3 4 5 b6 b7 Phrygian dominant (Major Phrygian)

あくまで1の Tonal はズらせないという前提。たとえば一番上の 1 b2 3 4 5 b6 b7 も基音を 3 にずらせば dorian b2 という候補がある。

F Locrian ♮6 → 〃 → E♭ Phrygian dominant → E♭ Locrian ♮6

スケールを計算するのには前後や基本の調号をなるべく継承するように補っている。

ちょっと応用

ここまで解れば、ハノンっぽくなるべくメロディックな揺れを統制して、順に降下していくようなエチュードとかも作れる。

Etude Locrian ♮6 by Akihiro Kameda

参考