Drafts

@cm3 の草稿置場 / 少々Wikiっぽく使っているので中身は適宜追記修正されます。

各リポジトリからの BibTeX & 手打ち → Mendeley → Orcid → researchmap → 京都大学 教育研究活動データベース

研究者にとって業績アピールは重要性を増す一方だ。それなりに HTML 書ける人ほどそれなりに見せ方を気にして自分のウェブサイトを持ってそこで公開していたりするが、研究者にIDが付けられオフィシャルなデータベースで管理されるようになった近年では、それは得策とは言えない。あくまで、オフィシャルなデータベースへの登録をきちんとした上で、特定の人々に向けて―例えば地域研究者ならフィールドとなる地域の言語でアピールしたいかもしれない―別途作ればいい。

で、例えば京都大学では業績の管理に使う教育研究活動データベースを researchmap と連携したりしている。元々、researchmap は ReaD & Researchmap という名前で、国のオフィシャルな研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)と統合された経緯*1を持つので、各大学との連携はこれからも期待できるだろう。特に様々な研究機関を渡り歩く若手にとっては、その時々に属す組織ではなく、外部のサービスに一元的に管理してもらえる方がありがたい。

一方で、国際的には researchmap より Orcid だろう。これは仕方ない。また、他人の文献を含めて文献管理をするには Mendeley のようなサービス & ソフトがより便利だろう。

というわけで、表題のような流れで管理することにした。面倒そうに見えるがそんなでもない。


CiNiiGoogle Scholar をはじめ、多くのデータベースは Bibtex 形式での出力をサポートしており、Mendeley は BibTeX のインポート & エクスポート をサポートしている。そこで、まず Mendeley にまとめたのち、一括で BibTeX にエクスポートする。エントリを選んだら File > Export だ。

次に、その Bibtex を Orcid に読み込ませる。もしくは、Mendeley to ORCIDというツールを使ってもいいだろう(たまたまさっき500エラーで使えなかったので使っていない→5/22追記、使ってみました。重複するものも省くことなくインポートされ、デフォルトの非公開で読み込まれるので、それぞれ削除したり公開したりして整理する感じ。)

デフォルトでは公開されないので、公開設定にするのを忘れずに。公開にしないと researchmap から読み込めない。

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次に、researchmap から Orcid のデータをインポート。著者名の最後の1バイトが削除されてしまうバグがあるので、それは報告済み、直るといいな。あと、「論文」と「論文・Misc」でリソースが区別されてるのが謎。

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この時に、Orcid では入れていなかった種々の情報を入れるといい。例えば使用言語など。それが京大のデータベースに反映される。

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注意点は、researchmap の「Misc」が 京大側では「学会発表等」扱いされてしまうなど、ずれが生じることだ。国際会議のプロシーディングスなどは論文扱いで管理し、先ほどの researchmap の詳細のところで国際会議だと指定すれば、論文 > 国際学会 に振り分けられる。雑誌論文ではないので詐称っぽいかなと思ったけど気にしてはいけない。情報系のように国際会議の論文が重要になりえる分野で、それを MISC にしてしまうのはありえない。

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研究者の方によっては、研究論文・学位論文と、それ以外を分けて管理したいという要望が多いため、そのような管理ができるように、researchmapは「論文」と「MISC」の項目があります。 基本的には、「論文」には査読がある雑誌に掲載された業績、「MISC」にはそれ以外の雑誌に掲載された業績を入力いただいていますが、ご自身が、どれを「論文」として見せたいかどうかですので、明確な基準はありません。 全てを1項目として管理したい方は、MISCの中で、掲載種別から「研究論文」「速報、短報、研究ノート等」「研究発表要旨」「総説・解説」「講演資料等」などを選択して管理してください。

from FAQ - researchmap

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この情報が生かされるので、正確性についてはそこで担保しましょう。

参考:

この管理が最善なのか?

一連のフローにしていると、それぞれのサービスが止まったり変更されたら使えなくなる。京大のように researchmap から一方的にインポートを受け入れ、自前での編集機能を捨てるほどバッサリしてるのはいいと思う。researchmap が無くなりますってなったら困るけど、その時は Orcid から…とかに変更して、移行のためのツールを出せばいい(というか researchmap が無くなるとしたら国際標準のサービスができた場合だと思うけれど、その際は移行ツールくらい外部で出るだろう)。researchmap は立場上そうバッサリできないんだから、もっとインポートエクスポートを充実させるべき(少なくとも BibTeX)。すると、日本国内の論文のインポートに強く、手打ちのインタフェースも備えている researchmap が Mendeley の前側にくることができるようになって、

  • researchmap → Mendeley, 京都大学 教育研究活動データベース,
  • Mendeley → Orcid(英語論文を選択的に)

という形になる。これが理想なんだと思う。

参考:

BibTeX について確認

BibTeX - Wikipediaとかにはエントリ種別ごとの必須項目とオプション項目が示されているが、その典拠が見当たらない。BibTeX Format Descriptionには書かれていない。オプション項目以外にも適宜項目を追加してもいい*2