待合室のテレビで偶然見た話が面白かった。「心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU」という番組の「トゥルーストーリー」というコーナーらしいけれど、なかなか良いですね。
ここでトゥルーストーリー後悔先に立たずですが…道路の上をまたいでるコレ、な~んだ?実は、野生動物のための歩道橋。道路で分断されたエサ場へ行けるように建設会社が作りました。開発工事の時、環境や動物の生態系に配慮するのは、もはや常識です。
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
大手建設会社に席を置く小松裕幸さん…16年前からその専門家として活躍してきました。実は今、やっかいな生き物を相手にしてるんです。なんと虫…たとえ害虫でも駆除しない、虫との奇妙な闘い、教えてあげる。
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
1992年の「地球サミット」がキッカケで、開発工事に対する世間の目も厳しくなりました。社内でも、動植物の保護を考える部署が新設され、仕事を任されたんです。農学部出身で生き物に詳しそうだからって。
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
例えば、希少なニホンリスの生活を脅かさないよう、工事の前に行動範囲を調べたり…オオタカの繁殖に、照明や騒音が影響しないような工事計画を練ったり…前例のない仕事は、いつも試行錯誤の連続でした。そして7年目の事。ある生物に困ってると相談されて医薬品工場へ行くと…害虫が大発生!
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
「薬品を扱う我々は、殺虫剤を使いたくないんだ」調べると、その虫の発生源はカビでした。ということは、どこかに湿り気があるハズ。サーモグラフィーで調べると…一か所だけ温度の低い場所を発見。原因は壁の裏側を走るパイプの結露…断熱材でカバーすると、虫もいなくなりました。
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
殺虫剤を使うことができない工場にとっては、願ってもないこと。その後、依頼が殺到したんです。それから虫の生態を調べる事が日課。あんな仕事、専門業者に頼めばいいのに!周りからは変わり者扱い。自分でさえ、仕事に不安を感じました「せっかく大手ゼネコンに就職したのに、なぜこんな仕事なんだ」
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でも「今回7種類の樹木を調査した結果、大変ビックリする結果になりました」例えば、工事の依頼主は桜の木を植えたがりますが、実は他の樹木よりも虫がつきやすいので、工場には向いてない…とか。虫は、黄色っぽい光を嫌う傾向がある…とか。
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
「お客さんは桜の方が喜ぶしな~」「黄色い光じゃあ部屋が暗いですよ」…理解して貰うのは難しかった。医薬品工場の建設現場を訪ねた時のこと、まわりの環境を見て愕然としました。竹藪は、ヤブ蚊の発生源です。工場に蚊が入らないようにするには、入り口の自動ドアを二重にした方がいいと提案。
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でも、荷物の出し入れに不便、しかもコストだって倍かかるって反対されちゃいました「現場は僕らにまかせて下さい…」自分も建設会社の一員なのに…それから半年が過ぎた頃…「小松さん!!」最悪の事態が…
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
「とりあえず現場を見に行きましょう!」完成目前に虫が大発生。今さらできる防虫対策も限られてしまいます。ドアの隙間を埋めるのが精一杯でした。後悔しました。
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あの時、諦めたことではなく、自分の仕事に自信も誇りも持っていなかったことに。自分は、虫や生き物、そして人間の生活、両方を守る、そんな全く新しい仕事に挑んでるんだ。これこそ、建設を担う我々の、次なる姿だと目覚めなければ!
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
化学反応――だから、設計段階から虫対策に取り組みました。虫の発生源と建物の間に、虫がとどまる木を敢えて植えるとか…虫が集まりやすい外灯や草むらを避けて通気口の位置を変えるとか…「私たち建設業だからこそ出来る事があるんです!」
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
今では工場のタイプや周囲の自然環境から、どんな虫のリスクがあるか予測するシステムまで開発…設計を決める上で、貴重な資料になっています。大切なのは後悔したあと、どう動くか…ですね。
— 心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU (@senpai_rockyou) February 7, 2015
国内事例|日本総研に書かれてる話の一つだな。
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